本格焼酎の楽しみ本格焼酎とは > 焼酎の種類と原料(2017/4/30)

焼酎の種類と原料

概要

焼酎はまず大きく分けて連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)単式蒸留焼酎(乙類焼酎)に種類が分かれています。連続式蒸留焼酎はさらに細かい分類は存在していませんが、単式蒸留焼酎はそこからさらに原材料を元にした分類が存在しています。このページでは連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎の違いから解説を始め、単式蒸留焼酎の原材料による特性の違いまで説明しております。




1.連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎

スーパーなどへ行きますと焼酎のコーナーには単に「焼酎」と書かれたものと「芋焼酎」などと原材料と一緒に書かれたものが並列して存在していると思います。すべてではないですが、概ね、原材料が書かれていない焼酎は連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)で、原材料が書かれているのは単式蒸留焼酎(乙類焼酎と種類分け出来ます。
連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)は、複数回蒸留することで雑味をなくしてピュアなアルコールを取り出すタイプの焼酎です。原材料としてはサトウキビのしぼり汁などが利用されますが、複数回蒸留しているため、原材料の特性はほとんど感じることができません。一方で、レモン果汁と割ったり、梅干しを入れて味付けをしたり飲む人が好きな味わいに調整してアルコールを楽しめるのが連続式蒸留焼酎の最大の特徴です。居酒屋などに行きますと「レモンチューハイ」「グレープフルーツ酎ハイ」などのようなメニューを見かけるかと思いますが、これらはほぼすべて連続式蒸留焼酎をベースにした種類のアルコールとなります。連続式蒸留焼酎はさらに細かい分類はなく、ホワイトリカーというのは法的に認められた別名称となります。
一方で蒸留は一回だけにとどめ、香味成分や味わいなど含んだアルコールを取り出すタイプの焼酎が単式蒸留焼酎(乙類焼酎)です。香味成分をたっぷりと含んでいるため、原材料の特性を感じることができる半面、個性の強いレモン果汁などで味を調整すると個性がぶつかってしまって、味わいがあまり良くなくなってしまうタイプの焼酎です。単式蒸留焼酎は原材料の個性が強く出るため、原材料を前面に打ち出した「芋焼酎」などと分類がさらに追加されます。ここでいう原材料とは、一次仕込みで使う麹の種類ではなく、二次仕込みの際に使用した材料をさします。一次仕込みで米麹を使っても麦麹を使ってもいも麹を使っても二次仕込みでサツマイモを掛ければいも焼酎、米を掛ければ米焼酎、麦を掛ければ麦焼酎となります。なお、単式蒸留焼酎のうち、一定基準を満たした種類の焼酎については「本格焼酎」と称することが許されています。

2.一般的な単式蒸留焼酎の種類

ここからは単式蒸留焼酎の細かい種類についてまとめていきます。一口に焼酎とくくってしまうことが多いわけですが、実際に使用されている原材料として、ぱっと思いつくものはどんなものがありますでしょうか。現在生産されている単式蒸留焼酎の種類は主要なものとして以下のものがあげられます。 この項では原料別に焼酎の種類と特徴を紹介します。

3.米焼酎

米焼酎と称される種類の焼酎は米と米麹から作られます。後述する粕取り焼酎は清酒を醸造した酒粕から蒸留されますが、米焼酎は米を精米し、米麹と掛け合わせることで生産される焼酎となります。主な生産地は熊本県人吉市を中心とする球磨盆地です。また、最近では清酒蔵が清酒製造の閑散期に米焼酎の蒸留をすることが増えており、全国各地で米焼酎が生産されるようになっています。

香りや味わいは吟醸酒に近く、比較的焼酎初心者でも取っつきやすい焼酎といえます。従来、減圧蒸留(用語集参照)で作られる銘柄が主流でした。しかし、このところの焼酎ブームで米焼酎が本来持っている香りや味わいを見直す動きが大きくなり、それにともなって従来の製法で作られた米焼酎が徐々に増えてきています。

主な銘柄としては高橋酒造の「白岳しろ」や繊月酒造の「繊月」などが挙げられます。

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4.麦焼酎

麦焼酎は、焼酎の種類としては、大麦と大麦麹、あるいは米麹から作られるのが一般的な焼酎となります。従来大都市圏では焼酎といえば麦焼酎というイメージがありました。これは三和酒類の「いいちこ」や二階堂酒造の「二階堂」の知名度によるところが大きく、昭和50〜60年代の第一次焼酎ブームの際には二階堂のとっくりやいいちこのボトルをキープしておくのが流行りました。今回の焼酎ブームの素地を作ったのは「いいちこ」や「二階堂」と言っても良いと思われます。

さて、このように大分の名産品という印象の強い麦焼酎ですが、元々は長崎県壱岐地方で長らく生産されてきたものであり、数百年の歴史を持ちます。麦焼酎といえば大分というイメージが強くありますが、これはここ30年くらいのイメージであり、歴史的には壱岐焼酎が麦焼酎の元祖となります。

味わいや香りは同じ麦から作られるウイスキーに近く、洋酒がお好きな方が焼酎になじむにはもっとも適切といえるでしょう。前述しましたとおり、大分県と長崎県壱岐島が生産拠点です。大分では、減圧蒸留(用語集参照)・イオン交換樹脂(用語集参照)という手法で作られることが多く、すっきりとした飲み口の麦焼酎が主流です。また、最近では常圧蒸留(用語集参照)を使用して、個性ある製品を出している蔵も登場しています。一方、壱岐では伝統的な製法(主原料は麦、麹は米麹、常圧蒸留、米麹と麦の配合比率は約1:約2)を守る7軒の蔵が残り、個性を競っています。

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5.いも焼酎

いも焼酎はさつまいもと米麹、あるいはさつまいも麹から作られる種類の焼酎となります。さつまいもはでんぷん質が少なく、麹にしてもアルコールが出来にくいため、一般的に米麹で仕込みます。鹿児島県が一大生産拠点であり、鹿児島で酒と言えばいも焼酎のことを示します。第一次焼酎ブームの際には「すっきり」「さっぱり」という流れだったため、香りが濃厚で味わい深いいも焼酎は「臭い」「くどい」と見られてしまい、注目されませんでした。

味わいは甘い舌触りが特徴で、香りは米や麦に比べて際だちます。これは麦や米と異なり、常圧蒸留(用語集参照)で蒸留されることが多いこととさつまいも自体の香りや甘みが米や麦と違って強いことが理由と考えられています。

前述の通り、さつまいものみではアルコールが造りにくいため、第二次世界大戦後の米が不足した時期に闇市で売られていたヤミ酒を除いて、いも焼酎は米麹にさつまいもを掛ける商品のみでした。しかし、1998年に国分酒造協業組合(現.国分酒造株式会社)が、商品としては日本初となるさつまいも100%焼酎を発売して以来、色々な蔵元からさつまいも100%焼酎が発売されるようになりました。

もともといも焼酎は鹿児島県および宮崎県の特産です。干し芋で知られる茨城県と鳴門金時が有名な徳島県で若干生産されていたものの大多数は鹿児島・宮崎でした。焼酎ブームを経た現在では、地元で採れるさつまいもを使用した芋焼酎が全国各地で生産されるようになり、2009酒造年度には麦焼酎の出荷量(麦焼酎は20万8000キロリットル、いも焼酎は21万キロリットル)を上回りました。

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6.黒糖焼酎

黒糖焼酎は黒糖と主に米麹を利用して仕込まれる焼酎となります。実は、黒糖を使用した酒類は通常リキュール類などに該当し、税率が焼酎とは異なる高税率となります。しかし、日本復帰前から奄美諸島で生産され、名物となっていた黒糖焼酎を何とか生かすために
  • 必ず麹を使用して仕込むこと
  • 大島税務所管内のみの特例とする
という2点の条件で特別に認可されました。そのため、他の焼酎が法律的には日本全国で生産できるのに対して、黒糖焼酎は奄美諸島でしか生産できない特別な名産品となっています。

砂糖に由来している黒糖焼酎は黒糖独特の香りと甘い味わいが特徴です。焼酎ですから当然糖分は一切含まれていません。そのため、女性に人気が高く、注目されています。

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7.そば焼酎

そば焼酎は今までに紹介した焼酎に比べて歴史の浅い種類の焼酎です。1973年に雲海酒造によって初めて開発されたそば焼酎は、麦焼酎とともに第一次焼酎ブームの牽引役となりました。現在では長野や北海道といったそばどころを中心に全国で作られています。

そば焼酎は、ほのかにそばの香りが漂い、舌の上にそば独特の甘さが残る焼酎です。そのため、ロックが大変に美味しく「そば焼酎といえばロック」という人も多くいます。ロックだけでなく、おそばを茹でた茹で汁であるそば湯で割ると上質のそばを食べているような心地がします。

蒸留をしているとはいっても、そば焼酎はそば由来の焼酎ですので、そばアレルギーをお持ちの方は飲み方や体調に十分ご注意ください。

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8.栗焼酎

現在では全国各地で生産されるようになった栗焼酎は、そば焼酎と並んで歴史の浅い種類に属する焼酎です。栗のホクホクした甘みが特徴の焼酎で、主にロックで飲まれています。米麹や麦麹と掛け合わせることが多く、麹まで栗を使用した焼酎は今のところまだ発売されていません。

もともと栗を使った焼酎は、1975年に宮崎県延岡市の佐藤焼酎製造場が地場産の栗を使った焼酎の製法を確立、1976年から「三代の松」という銘柄で販売を開始したのが発祥です。
その後、1982年には兵庫県丹波市の西山酒造場が地元の特産品である丹波栗を用いた栗焼酎を発売、さらに1985年に高知県高岡郡四万十町の無手無冠が地元の北幡栗を使った「ダバダ火振」を発売します。現在では、栗の産地で製造され、一般的になってきました。

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9.泡盛

沖縄で作られる伝統の蒸留酒が泡盛です。泡盛という名称から焼酎とはまた違った種類のお酒だと思われている方も多いのですが、製法も税法上の種類も泡盛は焼酎の一種類と分類出来ます。泡盛は黒麹菌という麹菌を米に付けて作られることが条件となっており、主にタイ米で醸し出されています。また、他の焼酎がまず麹を発酵させ、そこへ原材料を投入して二次発酵を行うのに対して、泡盛は黒麹菌をタイ米に付け、発酵させ、それをそのまま蒸留する一次仕込み・全麹という手法が用いられます。

泡盛の特徴は「古酒」(クースー)にあるといっても良いと思います。最近でこそ、他の焼酎でも長期熟成させた「古酒」(こしゅ)が出回るようになりましたが、もともと長期熟成させるという考え方は泡盛が一番根強くあります。これは何かお祝い事があったり、節目となる出来事があった際に泡盛を甕に入れ、保存しておくという琉球地方の習慣があったためです。第二次世界大戦で沖縄は焦土と化し、琉球王朝時代から延々と受け継がれてきた伝統の古酒もほとんど破壊されてしまいましたが、現在でもこうした習慣は残っており、100年後の子孫にこの伝統と平和を伝えるべく「百年古酒」という運動も行われています。

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10.粕取り焼酎

今までの焼酎の種類はすべてもろみを作り、そこからアルコール分を蒸留する「もろみ取り焼酎」です。実は焼酎にはもう一つ清酒などの搾り粕を使用して作る「粕取り焼酎」と呼ばれる種類の焼酎があります。一時期だいぶ少なくなっていましたが、最近の焼酎ブームで徐々に復権しつつある種類の焼酎です。清酒を作ると搾り粕が残ります。この搾り粕に籾殻を混ぜて、下から他の焼酎と同様に熱風を送り込みます。そうするとアルコール分が抽出されます。このとき、籾殻の焦げたにおいがアルコール分とともに抽出されるため、大変にあくの強い、個性的な癖のある焼酎となります。

本来、粕取りとはこのような手法で作られます。しかし、現在では吟醸酒を造る清酒蔵が増加し、それとともに清酒粕をもとにもろみを作り、これを蒸留する場合が増加しています。こうした籾殻を使用せずに清酒粕でもろみを作り蒸留することで日本酒と間違えるような香りの高い粕取り焼酎が増加しています。

もともと粕取り焼酎は早苗饗(さなぶり)という田植え後のお祭りで愛飲されていた庶民のお酒でした。ここから粕取り焼酎に「早苗響焼酎」という別名がついたのです。特に九州北部では早苗饗においては粕取り焼酎が飲まれており、かつては粕取り焼酎の専業蔵も存在していたほどでした。こうした伝統を復活させようという動きもあり、「九州焼酎探検隊」および「南ん風」というウェブサイトで籾殻を使用した粕取り焼酎に関する調査や研究が行われています。本項の解説は両サイトの記述を参考に記しました。また、実際に籾殻を使用した粕取り焼酎の醸造再開に向けた実験も行われているようです。ただ、焼酎ブームの陰で清酒の生産量が低下し、清酒粕も少なくなってしまっています。この少ない清酒粕を粕漬けなどの分野がねらうため、ますます粕取り焼酎は製造の危機に瀕しています。

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11.そのほかの焼酎

焼酎にはこれまでに紹介した種類のほかに清酒をそのまま蒸留した清酒取り焼酎、じゃがいもを使用したじゃがいも焼酎、牛乳を使用した牛乳焼酎などが新しい種類の焼酎として製品化されており、実際に店頭に並んでいます。
なお、焼酎のように売られていても実際には単式蒸留焼酎ではないものもあります。一番有名なものはしそを原料としたしそ焼酎です。一番著名な合同酒精の「鍛高譚」はこちらにもあるように焼酎甲類乙類混和と明記されています。メーカーではきちんと情報提供をしているのに販売店がよく知らなくて間違った表記をしていることもありますので、注意が必要な場合があります。

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