濱田酒造が鹿児島県内では40年ぶりとなる清酒蔵(日本酒蔵)を設立

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リンク: 焼酎蔵元、鹿児島県内では40年ぶり清酒造り : ニュース : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞).
リンク: 焼酎王国・鹿児島に清酒蔵 | NNNニュース.
リンク: 鹿児島に清酒蔵完成 いちき串木野市、40年ぶり - 47NEWS(よんななニュース).

醸界タイムスWeb版: 10月の単式焼酎課税移出数量 4万klで3.4%増加によれば福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県の5県が増加している一方、佐賀県、沖縄県、そして鹿児島県が引き続き減少しています。そうした状況の中で出荷量の増えている数少ない鹿児島の蔵である濱田酒造が清酒(日本酒)の製造研究を行う、というニュースです。一般的には「日本酒」と呼ばれていますが、酒税法などでは「清酒」となっているため、新聞記事などでは全て「清酒」と表記されております。清酒(日本酒)の製造免許は愛知県内にあったグループ会社のものを使用しているようです。讀賣新聞では当面は清酒(日本酒)の製造を通じてノウハウを蓄積し、そのノウハウを本格焼酎へ反映することが目的に運営するので市販は検討していないような記事になっていますが、日テレNEWS24と共同通信の記事では5月くらいの市販を目指しているとあります。

今年中の販売があるなしは別として、これは大変に興味深いことだと思います。dancyuにもよく寄稿している焼酎ライターや鹿児島焼酎を愛飲されている焼酎サイト管理人・居酒屋店主の反応は、ともすれば濱田酒造を揶揄するものばかりですが、焼酎王国である鹿児島で清酒蔵を立ち上げるというのは壮大なチャレンジスピリットではないでしょうか。伝統や文化というのは大切で、そこを忘れてしまってはどうにもならないわけですが、濱田酒造自体は、最新鋭の機械で焼酎作りを行う蔵とともに手作り仕込みの伝統的な蔵も運営していて、そこはまったく問題がない蔵元です。また、焼酎ライターや鹿児島焼酎愛飲家が評価してやまない本坊酒造が出している「タカラボシ地酒」に代表される灰持酒(※)が薩摩藩時代から存在していたように清酒(日本酒)の系譜が鹿児島に全くないわけではなく、伝統という点からも面白い試みだと思います。さらにこのご時世にあえて清酒(日本酒)文化を鹿児島に持ってこようというチャレンジ精神は応援しても良いのではないでしょうか。
この試みがどうなっていくのか、注目したいと思います。

(※)灰持酒(あくもちざけ、あくもちしゅ)......通常の清酒(日本酒)醸造のやり方で仕込んだあと、もろみに草木の灰を投入して作られる酒類の事を指します。灰を入れることでもろみを酸性からアルカリ性へ変化させ、腐造を防ぐ意味合いを持ちます。味わいは清酒(日本酒)に比べて甘みが増し、独特の香りと風合いを持ちます。もろみに灰を入れた酒類はお神酒として奈良地方を中心に奈良時代以前に造られていた黒酒(くろき)までたどる系譜を持っており、清酒(日本酒)もまたルーツをさかのぼると黒酒まで行き着きます。清酒(日本酒)が今のような形になったのは鎌倉時代ごろといわれていることから灰持酒は清酒(日本酒)と兄弟関係にあるといえます。

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