焼酎の低アルコール化対応に関する考察

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リンク: asahi.com(朝日新聞社):焼酎低度数競う 女性・若者新たな客層開拓 – 経済を読む – ビジネス・経済.

だいぶ前から消費者の低アルコール嗜好はかなり前からのトレンドです。25度の焼酎をロックで飲む芋焼酎ブームがむしろ例外で、2000年代初頭の鹿児島芋焼酎ブームの少し前にはタカラ缶チューハイが売り上げが好調というニュースが流れていました。ハイボールにしても少し前のホッピーにしてもやはり低アルコール嗜好です。焼酎も本場九州では、基本的にお湯割りや水割りで飲まれることが多く、もともと12度から13度くらいにしていました。

水割りにしても蔵元の仕込み水で割ってくれたほうがおいしいのは確実でして、こういう方向性は歓迎したいところです。焼酎になじみがない人にはそのままストレートで冷やして飲む方法を薦め、だいぶ飲みなれてきた人には鹿児島伝統の酒器である黒千代香を使った燗付けを薦められるという一石二鳥な効果があります。特に黒千代香を使用した燗付けは25度の焼酎をどの水で割るのかというところが大変に難しく、また自分で割り水をして数日置くという手間も敬遠されがちです。蔵元の仕込み水で割って出してくれるのが一番おいしく、手間もかからず、買って来てすぐ燗付けして楽しめるわけで、焼酎ファンにとっても歓迎したい方向性といえます。

また、割り水をして低アルコールにするばかりではなく、あえて35度などの高い度数で販売し、ハイボールやジュース割りなどの楽しみの提案も重要だと思います。本文では豊永酒造の提案事例が書かれていますが、ソフトドリンクで割って生きる本格焼酎の楽しみ方のようなものも研究していく余地がある部分だと思います。個人的に好きなのは、シーズンになると東京渋谷にある焼酎バー古典が定番として提供するパッションフルーツと黒糖焼酎の組み合わせです。また、一部の琉球料理店では定番メニューとなっている琉球泡盛のシークワーサー割りもいけます。あるいは最近話題の塚田農場というチェーン居酒屋が一時期提供していた新感覚の「焼酎ハイボール」のような提案も重要でしょう。こうした「定番の割り方」というのはその地方の名産品とうまく組み合わせることで、地域色のある飲み方となります。それが新たな伝統になっていけばよいのではないでしょうか。

いずれにしてもこの傾向はまだまだ続くと思いますので、一部の飲食店やコンサルタントのように伝統だけを重んじるのではなく、どのようにアピールしていくのか、そうした点の研究が重要になっていくものと思います。

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