風評被害と誤解を招きかねない残念な話題

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リンク: 八丈島の焼酎メーカー、曽於からイモ送る | 鹿児島のニュース | 373news.com.

八丈島の焼酎蔵が鹿児島の親しい農家からサツマイモを購入した、という話題です。それだけであればサツマイモはやはり鹿児島が一番良いという判断からなのだろう、ということになり、原材料にこだわる蔵元だという評価になります。しかし、本文記事を読むと

福島第1原発事故による放射能問題で、顧客から原材料への問い合わせが相次いだ同社が仕入れ先を関東から変更した。

とあります。これはきわめて残念な話です。

確かに食の安全性などで消費者から問い合わせがあって苦慮しているという事情は理解できます。しかし、それならば、今までお付き合いしていた農家とともに安全性をアピールするべく努力していくべきで、関東産のサツマイモの安全性を検査もせずにすべて否定する行為といえます。これはもともとお付き合いしていた農家のみならず、関東のサツマイモ農家と地場産の芋を使用した焼酎蔵にとってはあまりにも無念な話ではないでしょうか。

酒造りは農業と密接に結びついており、農業の発展とともに歩んでいく産業です。こうしたことをしてしまう蔵元、そしてそれを応援する焼酎愛好家というのは農業と酒造りの密接な関係について実は理解していないといえます。そんなに心配ならば、蔵元も焼酎愛好家のみなさんも関東から鹿児島へ移住されたほうがもっと安全なのではないでしょうか。きちんと検査されて出荷しているサツマイモに残留が心配される放射性物質よりも一部を除いて検査が進んでいない大気中の放射性物質のほうがより危険度が高いですから。

そして南日本新聞としては鹿児島さんの芋が売れていいという判断なのでしょうけど、この時期にこういう記事を載せてしまうということが風評被害と誤解を拡大しているのだということに気が付いていないということでもあり、メディアとしての見識に欠けていると思います。

現在、市場に出回っている農作物は検査を行って出荷されており、安全性については確認が取れているものばかりです。焼酎に使用されている原材料もきちんと検査が実施されています。こうした風評被害を拡大しかねない行為を気にせず、皆様は安心して召し上がっていただきたいと思います。

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