第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート最終章~ブームを超えて~

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今年も日本最大の本格焼酎・泡盛フェスティバルは無事に幕を閉じました。私は前回初めて参加したので、まだ2回目の新参者です。しかし、去年と今年は明らかに様子が違っていることが実感が出来ました。蔵元の集合写真
2006年のこのイベントは熱狂的な本格焼酎ブーム、いや鹿児島焼酎ブームが去りつつある最中に開催されました。宴の後に到来したものはブームでムーブメントに乗った銘柄を崇拝する状況です。昨年の横浜では一部のブースに大行列が出来て、試飲可能な有名本格焼酎の前で争奪戦が繰り広げられました。もちろん全体としては本格焼酎・泡盛ファンが集っていましたから全体を呑んで回る人々もいました。しかし、一方でお客様のほとんどいないブースや「芋でも黒糖でもないからいらない」と差し出した本格焼酎を呑んでくれない事態まで起こっていたのです。
鹿児島焼酎ブームは間違いなく去りました。もともとこのBLOGは、「清酒と本格焼酎は、日本文化を象徴する国酒であり、文化そのものである」というスタンスで始め、そして、本格焼酎が単なる商材ではなく日本の文化の一部なんだ、ということを何とかして皆さんに伝えられないか、という思いを込めて書いてきたのです。「今年は大選集の全ブースを紹介する」と話したところ、知人からは「横浜焼酎委員会の会員でも大選集のスタッフでもないのにそんなに一生懸命にならなくてもいいんじゃないの」といわれましたが、これもそんな思いから勝手に自己満足でやっていることです。もちろん、本格焼酎は商材です。これは間違いない事実です。商材としか見ないならば当然売れる銘柄しか扱わないというのは当たり前のことでしょう。東京の某チェーン焼酎居酒屋のように本格焼酎を商材としか見ていない店もそれは資本主義の渦中では当たり前のことです。また、消費者が一部のブースにしか行かないという行動を取るのも至極当然のことといえます。経営学部卒でマーケティングを専攻していた私にとってはそれは良く理解している事柄ではあります。でも本格焼酎と泡盛が全体として良くなっていって欲しいと願うもう一人の私はそれをとても是と出来る心境にないのもまた事実です。
今年に入っても私の見える範囲では有名銘柄や芋焼酎に人々が集中する状況が散見され、正直なところ、このブームがまいた種はブームに乗った一部銘柄以外では芽を出すことなく枯れ果ててしまうのだろうか、このままあがいていてもだめなんじゃないか、と少しあきらめの気持ちが出始めていました。そして、「横浜大選集の参加蔵や参加者はもしかしたら去年より減るかもしれない。なぜならばこのイベントは蔵から見れば直接は商売に一切結びつかない、呑み手から見れば聞いたこともない銘柄しか並ばない、単なる盛大な呑み会だから。」とさえ思う自分がいたのも事実です。
しかし、今回の横浜は違いました。なんにも商売に直結しない盛大な単なる呑み会に昨年よりも多い40もの蔵が集まったという事実。そして銘柄に惑わされることなく「おっ焼酎いいじゃん、色々呑んでみようか」という気軽な気持ちで来たお客様が如何に多かったか。
杜の蔵さんの強烈な粕取り焼酎を呑んで「うわこれ臭いねー」などといいつつ「もう少しこれ呑んでいい?」とおかわりをされるおじさま。柳田酒造さんで「赤鹿毛って名前きれいね、麦なんですか、呑んでみようかしら、ちょっともらえます?」ととても嬉しそうな顔して口を付けられたおばさまたち。宮原酒造さんのブースでは「へぇ新島にも焼酎があるんですか!」と感嘆の声を上げて嬉々として味わいを試していた私と同い年くらいの男性。「ラム酒は焼酎じゃないじゃないの」などと悪態を付きつつものすごく嬉しそうにグレイスラムさんでコルコルを舐めていたおじさま。「こんないい酸味の麦焼酎なんてあるんですね!」と南酒造さんの新商品を嗜んでいた男性。「麦ってこんなに濃厚なのか、いや芋しか呑んだことがなかったのは勿体ない」と渡邊酒造場さんのブースで天を見上げていた初老の男性。常徳屋酒造場さんで「大分の麦焼酎っていいちこ二階堂だけじゃないんですね、ほかにもこんなに味わいがある焼酎があったんですね」と驚いていた若い女性。初めて呑んだという比翼鶴酒造さんの焼酎を蔵の方でもないのに「これ美味いよ、呑んで呑んで」と近くにいた人に薦めまくっていたおじさん。等々……。今回は写真を撮るために全てのブースを見て回りましたがどのブースも「新しい焼酎を呑んでやろう」「今まで知らなかった泡盛を味わってやろう」という人々で大変に盛り上がっていたのです。
本格焼酎と泡盛は、一時期の一部銘柄に偏ったブームを超えて、新たなムーブメントを迎えているのではないかと思います。きっとこれは蔵元の皆様が逆風にめげることなく地道に歩み、それを理解している酒販店さんと料飲店さんが呑み手に蔵の意志を伝えた賜物だと思います。芋に比べて泡盛・麦焼酎・米焼酎・粕取焼酎はまだまだ厳しい時期が続くと思います。しかし、あれだけ「焼酎をなんでも呑んでやろう!」という熱い人々が集うイベントがあったのです。本当の本格焼酎・泡盛ムーブメントはこれからだと思います。
こんな盛大なイベントを作り上げて下さった横浜焼酎委員会の皆様にただ感謝感謝です。そして、最後まで読んで下さった皆様ありがとうございました。
来年、横浜で是非とも皆様とお会いできることを楽しみにしています。来年も横浜で乾杯!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

本格焼酎の楽しみ関連コンテンツ