美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店

このところ、焼酎を美味しく呑ませてくれる店はないか、というご質問をいただくことがあります。話を聞くと「ワンショット30mlくらいで1000円取られるんだよね」「お湯割りを頼むとなんだかものすごい薄いものしか出てこないんだよね」などといった状況が蔓延しているようです。東京大阪を中心にブームに便乗して劣悪な販売の仕方をしている飲食店・料飲店・飲み屋が増えましたが、これも一つの事例だと思います。こうした不満をお客に感じさせてしまう店は「美味し焼酎を呑ませてくれる店」かもしれませんが、「美味し本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないということではないかと思います。

どの店がよいかということは一概にいうことはできないことをまずお断りしておきます。これはどうしてもそれぞれの店によってカラーの違いがあり、人によってあうあわないという問題点があるからです。しかし、「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」という観点であれば私でも紹介することが可能です。

まず、このBLOGで紹介している店は間違いなく「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」です。値段もそれぞれの提供する量に応じていますし、取り扱っている銘柄も皆さんの信念で置いています。もちろんここではまだご紹介できていない店でも良い店があります。例えば渋谷にある「五臓六腑」とその系列である三軒茶屋の「五臓六腑七八」「五臓六腑久」「五臓六腑ten」や同じく渋谷の「熊吉」「美醤」、広島の「無櫓火」、大阪の「がたろ」「焼酎のむねん」「宝」などがあげられます。

逆に「美味しく本格焼酎を呑ませてくれない店」の特徴はどんな感じでしょうか。全てがそうではありませんが、ある程度の共通点があります。以下に私が感じた共通点を紹介します。

  1. 店の至る所に著名銘柄の空瓶が大量に飾ってある
    これは最大の特徴です。空瓶を飾ってくれても飲めないので意味がないのですが、なぜかこうした店は大量の空瓶が飾ってあります。中には水を入れてさも焼酎が入っているかのように見せかけるところすらあります。見てくれだけを追い求めている店が「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」とは思えません。
  2. 焼酎の保存の仕方が流行を追いかけている
    本格焼酎は液体内に溶け込んだフーゼル油が分離してしまうことがあります。これを防ぐために焼酎を出す前には軽く振る必要があります。これは本格焼酎を出す店ならば常識といっても良い事柄です。しかし、例えば瓶を固定して一回押すと一定量の焼酎が出るようにしている店では、瓶を振ることが出来ないため、当然フーゼル油が混ざりません。本格焼酎を出す料飲店として最低限の知識もない店が「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」とは考えにくいですね。
  3. メニューを見ながら味わいや最適な飲み方を聞いても即答できない店員がいる
    簡単なことです。その銘柄を呑んでいないので味わいが判らないのです。だから最適な飲み方もワカリマセン。たとえバイトでもマニュアルを整備すれば如何様にもなります。それすらしていない店が「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」だとはいえないでしょう。
  4. あらゆるグルメサイトに掲載されている
    これはまるしげ夢葉家さんや熊吉さん、美醤さんのように良い店でも載せていることや店側が掲載依頼をしていなくてもBLOG等の評判から勝手に掲載しているケースもありますので100%そうだとはいいにくいのですが、「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないことが多くあります。特にこれらのサイトに掲載している上に全国展開している大規模店舗は「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないことが本当に多いです。これは一つの目安として頭に入れておいても良いですね。
  5. 置いている量を誇らしげに語る
    「500種類以上!」とか「芋だけで200種類以上!」などと量を誇らしげに店頭に書いている店も「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないことが多いですね。量が増えればそれだけ味わいを熟知しなければならないわけで、即答できるかどうかは疑問です。また、本格焼酎といっても様々な味わいの系統があり、無差別に仕入れているのはある意味では本格焼酎ならば何でも良いという姿勢の表れではないか、ということもいえます。

以上、好きなように書いてきましたが、もちろんこれらに当てはまっていても自分が好きならばそれでよいと思います。しかし、これからいい店を開拓したいと思うのでしたら、これらを参考にして頂ければ、「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる」という視点で見る限り、はずれを引くことは少なくなるでしょう。あとはその店の大将・マスターとこの項をご覧の皆様があうかあわないかだけだといえます。

よろしければ参考にして下さい。

初出.2005/09/01 14:10

前割り焼酎を他人に呑ませると懲役刑!

南九州(宮崎・鹿児島)の芋焼酎圏では、本格焼酎を事前に水で割っておき、アルコールと水を十分なじませてから黒ぢょかや鳩とっくりなどで温めて呑むという習慣があります。これを「前割り焼酎」「前割焼酎」「割水焼酎」などと呼んでいます。多くの本格焼酎がアルコール度数25度となっていますが、前割りしておくことでアルコールの度数は、例えば5:5で割った場合には清酒並みの12.5度くらいになります。風味を楽しみつつ、体にも優しい焼酎を呑むことが出来るという一種の「生活の知恵」で、芋焼酎が呑まれている地域では極めてポピュラーな文化です。南九州での焼酎文化を広めようとしている料飲店さんたちは、南九州での本格焼酎の呑み方を知ってもらおうといろいろなことを試されています。その一環で自分の店でも前割焼酎を出しているケースが多く見られます。

しかし、国税当局は薄められてしまっては酒類の消費が伸びず、税金が減少すると考えたのか、酒税法を改悪してとんでもない条文を紛れ込ませたのです。該当の記述があるのは酒税法第四十三条。この条文では酒類を製造したとみなす行為(みなし製造)がまとめられています。

この第四十三条の5には

第一項の規定にかかわらず、酒類の製造場以外の場所で酒類と水との混和をしたとき(政令で定める場合を除く。)は、新たに酒類を製造したものとみなす。この場合において、当該混和後の酒類の品目は、この法律で別に定める場合を除き、当該混和前の酒類の品目とする。

という規定があります。要するに酒類製造免許のない人や法人が水を混ぜたらそれは新しく酒を造ったことと見なすよ、というとんでもない規定です。

しかし、国税も大酒造メーカーや国外の蒸留酒メーカーには頭が上がらないのか、くだらない例外規定を設けています。それが同法同条10の

前各項の規定は、消費の直前において酒類と他の物品(酒類を含む。)との混和をする場合で政令で定めるときについては、適用しない。
という部分です。さらにこの条文でいう
政令で定めるとき
というのは、酒税法施行令第五十条13で定められています。その条文には
法第四十三条第十項 に規定する消費の直前において酒類と他の物品(酒類を含む。)との混和をする場合で政令で定めるときは、酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者がその営業場において消費者の求めに応じ、又は酒類の消費者が自ら消費するため、当該混和をするときとする。

と書かれています。これならば注文を受けてから作ることが多い大手居酒屋の酎ハイやサワー類、高級ホテルのバーが提供するウイスキーの水割りなどは除外されるわけです。国内外の大メーカーから怒られないようにうまい抜け道を考えたものです。

先にも書きましたが割水焼酎は九州における飲酒文化の代表事例です。度数の高い焼酎を体に優しく飲むために自然発生した、本格焼酎の文化そのものといえます。これを税金のことしか頭にないこわっぱ役人どもが禁止するとは言語道断です。なぜ度数の高いアルコールを事前に割っておくことが「みなし製造」になるのか、梅酒のみなし製造もそうですが、文化を理解できない、ペーパー試験しか取り柄のない役人どもは今すぐ駆逐したい、そんな思いに駆られる出来事です。

さらにこの条文がひどいのは、もしこれを読んで下さっている皆様が前割り焼酎を造ったとして、それを自分や生計を一にする家族以外の他人と一緒に楽しもうとするとそれも法律違反となるということです。例えばバーベキューでキンキンに冷やした前割り焼酎を持っていく人がいますが、それを他の人にあげてしまうと法律違反となるのです。こんな変な話があって良いのでしょうか?

市井のこうした文化を大事に出来ないようで本当に「美しい国」は実現できるのでしょうか?私ははなはだ疑問です。割水という文化がしっかり理解される日まで、この問題は飲兵衛の立場から継続して取り上げていきます。

※その後国会で動きがありました。こちらで続報を書き、その後の動きにあわせてこちらを追記しました。

全麹仕込みとどんぶり仕込み

先日、知人と本格焼酎に関する話をしていた際のことです。「全麹仕込みとどんぶり仕込みって概念は一緒なんだよね?」と質問されました。この二つは全く違う概念なのですが、知人によると「同じだって書いてあるサイトがあるよ」とのこと。そのあと、ネットで調べてみたのですが、確かにこの二つを同じことだと思っている方が多いようです。

簡単にいうと全麹仕込みというのは麹しか使わずに仕込むやり方で、どんぶり仕込みは麹と主原料を同時に発酵させるやり方です。

まず基本の仕込み方ですが、多くの本格焼酎が、二段階の仕込み方をしています。一次仕込みでまず麹のみを発酵させます。次に二次仕込みで発酵した麹の中に主原料を投入して発酵させます。このようにして確実に主原料が発酵できるようにしているのが現在の基本的な仕込み方になります。

まず全麹仕込みについて説明致します。全麹仕込みの場合には麹のみを発酵させますので、多くの場合は一次仕込みでそのまま蒸留へと進みます。例えば泡盛の場合、米麹を使用して仕込みますので一次仕込みでタンクや甕に水と米麹を投入します。2週間程度で発酵が完了しますのでそのまま蒸留機に掛けて蒸留します。また、全麹仕込みでも二段階の仕込み方をする場合があります。全麹仕込みと謳っている場合には二次仕込みで投入する主原料も麹になります。ある球磨焼酎はまず一次仕込み用に米麹を作ります。それを甕に投入して発酵させている間に二次仕込み用にまた米麹を作ります。そして、二次仕込みの際にはその米麹を投入します。投入されている原料が全て米麹ですので、これも全麹仕込みと表記することが出来ます。一部のサイトや書籍で「全麹は一次仕込みしかしない」と書いているものもありますが、これは誤りです。

次にどんぶり仕込みですが、こちらは麹と主原料を同時に投入して発酵させる仕込み方になります。こちらの仕込み方では、まず麹を作ります。出来た麹と主原料、水を同時に甕やタンクへ投入します。このとき投入する主原料は麹ではありません。例えば米麹の米焼酎をどんぶり仕込みで作る場合には、米麹と麹になっていない米、水を同時に投入して発酵させることになります。同じように米麹の芋焼酎をどんぶり仕込みで作る場合には、米麹と麹になっていない芋、水を同時に投入して発酵させることになります。発酵が終わればそのまま蒸留することになります。このようにどんぶり仕込みには二段階で仕込むという概念がありません。全麹とは全く違う概念であることがご理解頂けたかと思います。

簡単ですが、仕込み方の豆知識でした。

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート最終章~ブームを超えて~

今年も日本最大の本格焼酎・泡盛フェスティバルは無事に幕を閉じました。私は前回初めて参加したので、まだ2回目の新参者です。しかし、去年と今年は明らかに様子が違っていることが実感が出来ました。蔵元の集合写真
2006年のこのイベントは熱狂的な本格焼酎ブーム、いや鹿児島焼酎ブームが去りつつある最中に開催されました。宴の後に到来したものはブームでムーブメントに乗った銘柄を崇拝する状況です。昨年の横浜では一部のブースに大行列が出来て、試飲可能な有名本格焼酎の前で争奪戦が繰り広げられました。もちろん全体としては本格焼酎・泡盛ファンが集っていましたから全体を呑んで回る人々もいました。しかし、一方でお客様のほとんどいないブースや「芋でも黒糖でもないからいらない」と差し出した本格焼酎を呑んでくれない事態まで起こっていたのです。

鹿児島焼酎ブームは間違いなく去りました。もともとこのBLOGは、「清酒と本格焼酎は、日本文化を象徴する国酒であり、文化そのものである」というスタンスで始め、そして、本格焼酎が単なる商材ではなく日本の文化の一部なんだ、ということを何とかして皆さんに伝えられないか、という思いを込めて書いてきたのです。「今年は大選集の全ブースを紹介する」と話したところ、知人からは「横浜焼酎委員会の会員でも大選集のスタッフでもないのにそんなに一生懸命にならなくてもいいんじゃないの」といわれましたが、これもそんな思いから勝手に自己満足でやっていることです。もちろん、本格焼酎は商材です。これは間違いない事実です。商材としか見ないならば当然売れる銘柄しか扱わないというのは当たり前のことでしょう。東京の某チェーン焼酎居酒屋のように本格焼酎を商材としか見ていない店もそれは資本主義の渦中では当たり前のことです。また、消費者が一部のブースにしか行かないという行動を取るのも至極当然のことといえます。経営学部卒でマーケティングを専攻していた私にとってはそれは良く理解している事柄ではあります。でも本格焼酎と泡盛が全体として良くなっていって欲しいと願うもう一人の私はそれをとても是と出来る心境にないのもまた事実です。

今年に入っても私の見える範囲では有名銘柄や芋焼酎に人々が集中する状況が散見され、正直なところ、このブームがまいた種はブームに乗った一部銘柄以外では芽を出すことなく枯れ果ててしまうのだろうか、このままあがいていてもだめなんじゃないか、と少しあきらめの気持ちが出始めていました。そして、「横浜大選集の参加蔵や参加者はもしかしたら去年より減るかもしれない。なぜならばこのイベントは蔵から見れば直接は商売に一切結びつかない、呑み手から見れば聞いたこともない銘柄しか並ばない、単なる盛大な呑み会だから。」とさえ思う自分がいたのも事実です。


しかし、今回の横浜は違いました。なんにも商売に直結しない盛大な単なる呑み会に昨年よりも多い40もの蔵が集まったという事実。そして銘柄に惑わされることなく「おっ焼酎いいじゃん、色々呑んでみようか」という気軽な気持ちで来たお客様が如何に多かったか。

杜の蔵さんの強烈な粕取り焼酎を呑んで「うわこれ臭いねー」などといいつつ「もう少しこれ呑んでいい?」とおかわりをされるおじさま。柳田酒造さんで「赤鹿毛って名前きれいね、麦なんですか、呑んでみようかしら、ちょっともらえます?」ととても嬉しそうな顔して口を付けられたおばさまたち。宮原酒造さんのブースでは「へぇ新島にも焼酎があるんですか!」と感嘆の声を上げて嬉々として味わいを試していた私と同い年くらいの男性。「ラム酒は焼酎じゃないじゃないの」などと悪態を付きつつものすごく嬉しそうにグレイスラムさんでコルコルを舐めていたおじさま。「こんないい酸味の麦焼酎なんてあるんですね!」と南酒造さんの新商品を嗜んでいた男性。「麦ってこんなに濃厚なのか、いや芋しか呑んだことがなかったのは勿体ない」と渡邊酒造場さんのブースで天を見上げていた初老の男性。常徳屋酒造場さんで「大分の麦焼酎っていいちこ二階堂だけじゃないんですね、ほかにもこんなに味わいがある焼酎があったんですね」と驚いていた若い女性。初めて呑んだという比翼鶴酒造さんの焼酎を蔵の方でもないのに「これ美味いよ、呑んで呑んで」と近くにいた人に薦めまくっていたおじさん。等々……。今回は写真を撮るために全てのブースを見て回りましたがどのブースも「新しい焼酎を呑んでやろう」「今まで知らなかった泡盛を味わってやろう」という人々で大変に盛り上がっていたのです。

本格焼酎と泡盛は、一時期の一部銘柄に偏ったブームを超えて、新たなムーブメントを迎えているのではないかと思います。きっとこれは蔵元の皆様が逆風にめげることなく地道に歩み、それを理解している酒販店さんと料飲店さんが呑み手に蔵の意志を伝えた賜物だと思います。芋に比べて泡盛・麦焼酎・米焼酎・粕取焼酎はまだまだ厳しい時期が続くと思います。しかし、あれだけ「焼酎をなんでも呑んでやろう!」という熱い人々が集うイベントがあったのです。本当の本格焼酎・泡盛ムーブメントはこれからだと思います。

こんな盛大なイベントを作り上げて下さった横浜焼酎委員会の皆様にただ感謝感謝です。そして、最後まで読んで下さった皆様ありがとうございました。
来年、横浜で是非とも皆様とお会いできることを楽しみにしています。来年も横浜で乾杯!

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート13~神奈川~

40蔵のラストは地元神奈川県から参加の2蔵です。

1.久保田酒造
久保田酒造
清酒「相模灘」を醸されている久保田酒造さんは正調粕取焼酎「喜楽」を並べていました。毎年必ず正調粕取りを仕込まれている貴重な蔵の一つで正調ならではの独特の香りと甘い味わいは本当に美味しいです。是非とも一回味わって頂きたい焼酎です。

2.黄金井酒造
黄金井酒造
近年は「さがみビール」で知られる黄金井酒造さんですが、粕取焼酎もつくられています。そして今年神奈川県内の蔵としては初めてとなる米焼酎「弥太郎」を7月から販売されるということで熱心に薦めていらっしゃいました。私も少し頂きましたがまろやかでいてしっかりコクもあるという米焼酎でした。


40蔵を全てご紹介致しました。去年とは大きく変化した今年の雰囲気と全体的な感想を書かせて頂きまして、連載の最終回といたします。

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート12~高知・新島・八丈島~

九州から南東方向へ進みまして、四国・高知の1蔵と伊豆諸島の2蔵をご紹介します。

1.無手無冠
無手無冠
栗焼酎「ダバダ火振」が東京でも人気の無手無冠(むてむか)さんはダバダ火振のほか、「四万十大正」も出しておりました。四万十大正は今回初めて呑ませて頂いたのですが、ダバダ火振を濃厚にした甘さがあって、栗の美味さがぎっしり詰まった美味しい焼酎でした。

2.宮原酒造
宮原酒造
伊豆諸島・新島から5回目の参加は「嶋自慢」の宮原酒造さんです。口に含むと麦の香りがしっかりと舌にのり、そのあとの余韻が優しい麦焼酎の他に今年は純米焼酎もお持ちになっていました。少し頂いたのですが、米の甘さが楽しめる焼酎に仕上がっておりました。

3.樫立酒造
樫立酒造
「島の華」の樫立酒造(かしたてしゅぞう)さんは八丈島の蔵元です。ウイスキーで使われる銅製のポットスチールから生み出される麦焼酎は、麦そのものがそのまま焼酎になっていることを十分に味あわせてくれます。今年も味わいを存分に楽しませて頂きました。


さあ、次回がラストです。40蔵の最後は地元神奈川県から参加の2蔵をご紹介します。

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート11~長崎壱岐~

麦焼酎発祥の地、長崎県壱岐市から参加の3蔵です。

1.壱岐焼酎協業組合
壱岐焼酎協業組合
長岡秀星氏の印象的なイラストでおなじみの「壱岐っ娘」を携えての横浜入りは壱岐焼酎協業組合さんです。主力である壱岐っ娘の他に「大祖」や花酵母の焼酎も持ってこられていました。花酵母は東京農業大学の花酵母研究会と連携しながらの仕込みをされているそうで大変に香りが華やかで美味しい焼酎でした。

2.重家酒造
重家酒造
重家酒造さんは「ちんぐ」が代表銘柄です。「ちんぐ」とは親友を意味する方言とのことでした。麦の香りが華やかで会場ではロックで頂きましたが濃いめのお湯割りでゆるゆると呑むと落ち着けそうな、そんな味わいの麦焼酎でした。

3.天の川酒造
天の川酒造
今回初参加の天の川酒造さんは「天の川」を持ち込まれていました。しっかりと寝かしたあとに満を持して出荷しているというその焼酎は落ち着いた風味がして麦とは思えないような甘い味わいがしました。


この連載もいよいよ九州を離れます。壱岐から南東へ移動して高知から参加の1蔵、そしてそのまま一気に南東の海上へ進み伊豆諸島から参加の2蔵をご紹介します。

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート10~福岡~

九州も北部までたどり着き、今回は福岡の蔵元3蔵です。

1.ゑびす酒造
ゑびす酒造
「らんびき」を持参しての参加はゑびす酒造さんです。少なくとも3年は寝かせてから出荷するという麦焼酎は口に含むと濃厚な香りが漂います。そして甘さが口いっぱいに広がり納得の逸品なのです。そしてそれを酔った勢いで蔵の方に話したところ「昨年と同じくべた褒めして頂きありがとうございます」とお礼をいわれてしまいました(笑)

2.杜の蔵
杜の蔵
粕取り焼酎をメイン商品に据える蔵元としては唯一の参加が杜の蔵さんです。代表的な銘柄は柔らかい「吟香露」ですが、私はレギュラー酒である「常陸山」を頂きました。がつんと来る香り、そして濃厚な甘さ、後味のキレ。正調粕取焼酎ならではの味わいは焼酎通を自負するのでしたら是非一度試して頂きたい味わいです。

3.比翼鶴酒造
比翼鶴酒造
比翼鶴酒造(ひよくつるしゅぞう)さんは、今年も黄麹で醸した「不比等」を携えて横浜へ参加されました。清酒蔵でも米焼酎は白麹や黒麹を使用することが多いのですが、清酒と同じ麹を使用している米焼酎は清酒のように華やかで薫り高くとてもまろやかです。今年も見事なおいしさでした。


九州で残るは長崎・壱岐焼酎となりました。次回は壱岐焼酎の蔵元をご紹介します。

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート9~大分~

今回は大分の蔵元をご紹介致します。大分麦焼酎を醸す4蔵です。

1.藤居醸造
藤居醸造

代表銘柄である「泰明」を持って写真撮影に応えて下さった藤居醸造さんは4回目の参加です。昨年初めて泰明を呑ませて頂いて麦焼酎の香りの芳醇さとどっしりとした味わいの深さに非常に感動しました。今年も味わいは変わらず、美味しい麦焼酎でした。

2.常徳屋酒造場
常徳屋酒造場
「常徳屋道中」などを携えての横浜参加は常徳屋酒造場さんです。去年私が何杯も呑んでしまった柔らかくふくよかな味わいを持つ麦焼酎は今年も健在でした。かつては清酒蔵だったとのことですが、その技術を生かして今は麦焼酎専業で仕込まれています。今年創業100年を迎え、今後が楽しみな蔵です。

3.久家本店
久家本店
「常蔵」が代表的な銘柄である久家本店さんですが、今年が2回目の横浜参加です。2回目とは思えないくらいなじんでおられました。相変わらず優しいそれでいて折目正しい麦焼酎は健在で今年もおかわりを頂いてしまいました。

4.南酒造
南酒造
今年横浜初参加の南酒造さん、「とっぱい」という銘柄名は知られた存在です。薫り高いとっぱいのほかに地元限定という「喜納屋」(きのや)も持ってこられておりましたが、こちらは酸味があり、麦焼酎のイメージを覆す味わいでした。都市圏では未発売とのことですが、機会があればぜひともじっくりと呑んでみたいそう思わせる逸品です。


大分からはさらに北上致しまして次回は福岡の蔵元をご紹介致します。

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート8~熊本球磨その2~

熊本県・球磨焼酎の後編です。今回は3蔵紹介します。

1.繊月酒造
繊月酒造
「繊月」「峰の露」でおなじみの繊月酒造さんは代表銘柄の他に今年も繊月大古酒を持参されていました。プレミア銘柄を高いお金を出して買うのならば同じお金でこの大古酒をぜひ買って呑んで欲しい、そう思わせる味わいは今年も健在でした。

2.堤酒造
堤酒造
「武士者」(むしゃもん)の堤酒造さんは今年も多くの方が試飲に来ていました。武士者という銘柄名に引かれて立ち寄る方も多く、「球磨焼酎ってこんなに繊細ででも大胆なおいしさなんだね」と興味を示した方も多かったようです。

3.常楽酒造
常楽酒造
様々な銘柄を持たれている常楽酒造さんはそれらの中から厳選したものを持ち込まれていました。色々な銘柄を見て飲み比べをした方々は球磨焼酎がこれほどまでに変化するのか、ということに驚かれていたようです。


次回は熊本県から北東へ移動して大分県の蔵元をご紹介します。

第6回本格焼酎・泡盛横浜大選集レポート7~熊本球磨その1~

熊本県から球磨焼酎の蔵元が6蔵参加です。熊本も2回に分けてご紹介します。

1.寿福酒造場
寿福酒造場
「武者返し」「寿福絹子」を醸造している寿福酒造場さんはご家族総出での横浜参加となりました。手前で他のお客様に熱心に説明されているのが球磨焼酎で唯一の女性杜氏である寿福絹子さんです。いつお話をさせて頂いても大変に熱心に色々なことを教えて下さいます。ファンの方も多いようで開催中は常に周りに人が集まっていました。

2.那須酒造場
那須酒造場
酒造場の名前はご存じなくても「球磨の泉」という銘柄名を聞けばご存じの方も多いでしょう。球磨焼酎の中でもこの銘柄名をご存じの方は多く、会場では「こちらがあの球磨の泉をつくっているんですね!」などという感想を蔵の方に話している人もいらっしゃいました。

3.木下醸造所
木下醸造所
木下醸造所さんも蔵の名前ではぴんと来ないかもしれませんが「文蔵」「文蔵さんの梅酒」の蔵だといえばご存じの方も多いと思います。今年も文蔵は安定したおいしさで気持ちをなごませてくれる味わいでした。文蔵を初めて呑まれた皆さんもにこやかな笑顔でした。


次回は球磨焼酎の蔵元を引き続きご紹介します。