美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店

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このところ、焼酎を美味しく呑ませてくれる店はないか、というご質問をいただくことがあります。話を聞くと「ワンショット30mlくらいで1000円取られるんだよね」「お湯割りを頼むとなんだかものすごい薄いものしか出てこないんだよね」などといった状況が蔓延しているようです。東京大阪を中心にブームに便乗して劣悪な販売の仕方をしている飲食店・料飲店・飲み屋が増えましたが、これも一つの事例だと思います。こうした不満をお客に感じさせてしまう店は「美味し焼酎を呑ませてくれる店」かもしれませんが、「美味し本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないということではないかと思います。
どの店がよいかということは一概にいうことはできないことをまずお断りしておきます。これはどうしてもそれぞれの店によってカラーの違いがあり、人によってあうあわないという問題点があるからです。しかし、「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」という観点であれば私でも紹介することが可能です。
まず、このBLOGで紹介している店は間違いなく「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」です。値段もそれぞれの提供する量に応じていますし、取り扱っている銘柄も皆さんの信念で置いています。もちろんここではまだご紹介できていない店でも良い店があります。例えば渋谷にある「五臓六腑」とその系列である三軒茶屋の「五臓六腑七八」「五臓六腑久」「五臓六腑ten」や同じく渋谷の「熊吉」「美醤」、広島の「無櫓火」、大阪の「がたろ」「焼酎のむねん」「宝」などがあげられます。
逆に「美味しく本格焼酎を呑ませてくれない店」の特徴はどんな感じでしょうか。全てがそうではありませんが、ある程度の共通点があります。以下に私が感じた共通点を紹介します。

  1. 店の至る所に著名銘柄の空瓶が大量に飾ってある
    これは最大の特徴です。空瓶を飾ってくれても飲めないので意味がないのですが、なぜかこうした店は大量の空瓶が飾ってあります。中には水を入れてさも焼酎が入っているかのように見せかけるところすらあります。見てくれだけを追い求めている店が「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」とは思えません。
  2. 焼酎の保存の仕方が流行を追いかけている
    本格焼酎は液体内に溶け込んだフーゼル油が分離してしまうことがあります。これを防ぐために焼酎を出す前には軽く振る必要があります。これは本格焼酎を出す店ならば常識といっても良い事柄です。しかし、例えば瓶を固定して一回押すと一定量の焼酎が出るようにしている店では、瓶を振ることが出来ないため、当然フーゼル油が混ざりません。本格焼酎を出す料飲店として最低限の知識もない店が「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」とは考えにくいですね。
  3. メニューを見ながら味わいや最適な飲み方を聞いても即答できない店員がいる
    簡単なことです。その銘柄を呑んでいないので味わいが判らないのです。だから最適な飲み方もワカリマセン。たとえバイトでもマニュアルを整備すれば如何様にもなります。それすらしていない店が「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」だとはいえないでしょう。
  4. あらゆるグルメサイトに掲載されている
    これはまるしげ夢葉家さんや熊吉さん、美醤さんのように良い店でも載せていることや店側が掲載依頼をしていなくてもBLOG等の評判から勝手に掲載しているケースもありますので100%そうだとはいいにくいのですが、「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないことが多くあります。特にこれらのサイトに掲載している上に全国展開している大規模店舗は「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないことが本当に多いです。これは一つの目安として頭に入れておいても良いですね。
  5. 置いている量を誇らしげに語る
    「500種類以上!」とか「芋だけで200種類以上!」などと量を誇らしげに店頭に書いている店も「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる店」ではないことが多いですね。量が増えればそれだけ味わいを熟知しなければならないわけで、即答できるかどうかは疑問です。また、本格焼酎といっても様々な味わいの系統があり、無差別に仕入れているのはある意味では本格焼酎ならば何でも良いという姿勢の表れではないか、ということもいえます。

以上、好きなように書いてきましたが、もちろんこれらに当てはまっていても自分が好きならばそれでよいと思います。しかし、これからいい店を開拓したいと思うのでしたら、これらを参考にして頂ければ、「美味しく本格焼酎を呑ませてくれる」という視点で見る限り、はずれを引くことは少なくなるでしょう。あとはその店の大将・マスターとこの項をご覧の皆様があうかあわないかだけだといえます。
よろしければ参考にして下さい。
初出.2005/09/01 14:10

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