本格焼酎・泡盛は輸出とともに国内における定着もしっかり考える時期に来ている

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リンク: 日本酒・焼酎、世界にPR=月内にも推進協議会―政府 – WSJ日本版 – jp.WSJ.com.
リンク: FNNニュース: 古川国家戦略担当相、….
リンク: 日本酒や焼酎の海外展開 政府が支援プロジェクト立ち上げへ – SankeiBiz(サンケイビズ).

先日お伝えした「国家戦略大臣が焼酎を「国酒」として認め、海外進出支援に乗り出すと表明」の続報的な内容となっています。日本酒を国酒(こくしゅ)として海外に広く紹介しようということを初めてうちだしたのは大平内閣の頃だそうですが、外務省の外交官は日本酒があまりお好きではなかったようで、海外公館にはワインばかりがそろうという有様でした。スシブームなど様々な日本関連ブームを経て、ようやく日本酒の海外進出の土台が整って来たこともあり、最近では海外公館にも日本酒が少しずつ増えているようです。
一方で日本国内で独特の発達を遂げたもう一つの酒類である本格焼酎・泡盛も国酒として扱おうという動きは20世紀には全くなく、焼酎ブームを経て、ここ数年でようやく国の酒であるという意識が広まってきました。いまでも日本酒を専門で扱う酒販店の一部にはこちらのお店のように「焼酎にも文化があることは分かりますが、このお酒が飲む人のこころを癒し、明日の活力を与えてくれるような民族のお酒「国酒」なのでしょうか?」(神田和泉屋だより189号、2004年4月より引用)と主張するところもありますが、日本酒と同じく、酵母と麹を使用し、独特の進化を遂げてきた本格焼酎・泡盛もまた日本を代表する酒類であることは疑う余地のない事実です。

これらの記事で取り上げられているワインは、それぞれの国できちんとした文化として普及しています。国内であまり飲まれていないものが国の酒として海外へ広まるとは考えにくいですから、やはり国内での定着も重要だと思います。焼酎ブームに乗って知名度を上げた飲食店や酒販店には「焼酎の会をやっても同じことの繰り返しで意味がない」などといっているところもありますが、そうしたことをいう店の会は、内に内に籠もり閉鎖性を強くしていったことで主にその店の信者である常連客がターゲットで、会の主役は店の信者になっている蔵です。それでは客からも蔵からも飽きられ、人が集まらなくなります。それを「意味がない」と言い訳しているだけです。本当に同じ会が無意味なのかといえば、例えば完全オープンで来場者を集めている横浜焼酎委員会の本格焼酎・泡盛横浜大選集は口コミが口コミを読んで毎回満員御礼となるだけでなく、常に新しい人も参加してきていて、焼酎の普及定着に欠かせない存在となっています。ブームの時に一定の知名度を得たのに内に内にと籠もったところが、ブーム終了後に足を引っ張る存在となってしまっているのは本当に残念なことです。

蔵や愛好者だけでなく、飲食店や酒販店も含めて、国の酒としての焼酎・泡盛がきちんと定着して行くにはどうしたらよいのか、単に斜に構えてすねているのではなく、もう一度しっかり考え直さなければならない時期に来ていると思います。そうでなければいくら輸出の声を大きくしても尻すぼみに終わってしまうことでしょう。そして繰り返しになりますが既に日本酒も本格焼酎・泡盛も海外へ輸出している蔵がありますから、そうしたところの足を引っ張らないようにきちんと考えて頂きたいと思います。

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