小正醸造が名取市の佐々木酒造へポンプを譲渡する機材支援

リンク: 日置市の「小正醸造」 宮城の酒蔵へ ポンプを譲渡 / 西日本新聞.

さつま小鶴蔵の師魂で知られる小正醸造が東日本震災被災地の酒蔵へ支援の機材提供という話題です。焼酎と日本酒は違った味わいの酒ですが、いずれも日本の国酒であり、こうした支援の動きが広がるというのは本当にすばらしいことだと思います。同社以外にも機材支援の動きが広がりつつあるようですので、これを機に東北の日本酒蔵と南九州の焼酎蔵がコラボレーションしていくところにまで発展してくれると酒ファンとしてはうれしいことです。

藤居酒造の麦焼酎「ふしぎ屋」が国際味覚審査機構の三つ星認定

リンク: 「ふしぎ屋」三つ星 焼酎で県内初【大分のニュース】- 大分合同新聞.

時の旅人」「豊後の里」で知られる大分・臼杵の藤居酒造が「ふしぎ屋」で国際味覚審査機構の三つ星認定を受けたというニュースです。大分麦焼酎としては初めてとなる快挙で、酒類の評価には定評のある国際味覚審査機構の三つ星認定は同社のみならず、大分麦焼酎の技術レベルが高いことを証明したともいえ、すばらしい結果だと思います。おいしい焼酎を醸しているのですが、先のブームにいまいち乗り切れなかった大分麦焼酎がこれを気にいい風に乗ってくれることを願います。

大阪環状線に球磨地方をPRするラッピング電車が走る

リンク: 人吉球磨をPRするラッピング電車運行 : 熊本 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

大阪環状線で人吉市を中心とする球磨地方のPRラッピング電車が走るという話題です。焼酎ファンにとっては球磨といえば球磨焼酎の産地なわけですが、ラッピング電車のデザインにもガラとチョクの図案が記されるようです。薩摩焼酎の陰でブームに乗り切れなかった球磨焼酎ですが、味わいは芋焼酎には負けないので、こうした機会でうまく知名度が上がって愛飲者が増えてくれるとよいと思います。

メディアの焼酎知識とまとめ方の問題(タイトル修正・追記あり)

リンク: 「芋」100%にこだわる全量芋焼酎 米トレーサビリティ法施行で注目度アップ : J-CASTニュース.

「全量芋焼酎」という表現を使っていますが、要するに芋麹で作られた芋焼酎ということです。酒文化研究所の山田聡昭氏のコメントとして

米麹を使わず、「芋麹」を使って醸造する手法で、前出の山田氏は、「発酵や仕込みの技術が進み、芋焼酎にあった独特の臭みが消えて華やかな香りの、すっきりとした味わいに仕上げることが可能になりました。スタイリッシュというか、水割りやロックでもおいしく飲めます」
というコメントがありますが、J-CASTが改変していたり、意味を間違えて記載しているのでなければ、専門家としては少しおかしい表現になります。

そもそも芋100%の焼酎は鹿児島県の国分酒造協業組合が1997年に世界で初めて研究に乗り出し、翌年に900ml瓶でわずか1000本というところからスタートした商品で、まだ十数年の歴史しかないジャンルです。世界初の全量芋焼酎がこの世に誕生した時点で、すでに「華やかな香りの、すっきりとした味わい」だったことは国分酒造協業組合のいも麹芋特設ページ」にも

「肝心のお味のほどは、「とてもいも臭い」と予想していましたが、以外とさらっとしていて、キレがあり、飲みやすいタイプに仕上がりました。
と記されています。酒文化について、こうしたメディア取材へ回答する専門家であれば、これくらいの知識は当然持っているはずで、まるでこの数年ですっきりとした味わいへ変化したかのようなコメントを出すのは見識を疑わざるを得ません。

また、全量芋焼酎だけがピュアであると誤解されかねないコメントも酒文化に関する専門家としては不適切です。そもそも芋焼酎は米麹にアルコールを生成させ、サツマイモと酵母で味わいを作り上げていくタイプの焼酎です。芋麹を使うこと自体が異例であり、もともとの文化にはなかったタイプの新しい焼酎です。「酒文化」として考えるのであれば、伝統的な製法のほうが「ピュア」であり、芋麹という手法はイレギュラーであるといえましょう。本来であれば、「酒文化」の専門家として、「芋焼酎というのはもともとタイ米を使用することが主流でそれはコストダウンというよりも米麹の生育にタイ米が適していたからである」ということをきちんと記事に盛り込んでいくような回答をするべきではなかったでしょうか。この記事では現在の消費者が持っている「コストダウンのためにタイ米を使用する」という誤解を解消することは不可能です。

酒文化研究所には専門家として、適切なコメントを回答するように強く求めたいと思います。

芋焼酎用サツマイモの新品種「サツママサリ」誕生

リンク: 焼酎原料サツマイモの新品種開発、甘い香味が特長 : 酒と焼酎 in九州 : エンタメ : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

本格焼酎用のサツマイモに新品種「サツママサリ」が誕生した、という話題です。芋焼酎によく使われる芋としてはコガネセンガンが著名で、紫芋など一部のこだわり系焼酎を除く、一般的な芋焼酎はコガネセンガンの一人勝ち状態です。

芋焼酎市場を占拠しているコガネセンガンですが、青果として一般の食用としても流通しており、必ずしも焼酎専用と言うわけではありませんでした。そこで、芋焼酎の仕込みに向いたサツマイモを開発しようという動きは以前よりあり、その努力が結実したのが1994年のことです。この年に誕生したジョイホワイトは世界初の焼酎専用品種で、業界から大変に注目されました。焼酎の仕込み用としては有能でしたが、味わいはフルーティかつ淡麗、鹿児島などの酒豪から見ると淡白すぎてお湯割りで飲むには向かないことから主力になりえませんでした。その後の焼酎ブームによって、都市圏で芋焼酎をロックで飲む需要が増えたことからやや盛り返し、ひとり歩き山ねこなどの著名銘柄が生まれたものの大きな広がりを見せず、現在でもコガネセンガンの圧倒的優位な状況は変わっていません。

今回開発されたサツママサリは焼酎原料として、コガネセンガンをイメージして開発されています。実際に記事中で紹介されている薩摩富士は、濱田酒造のレギュラー酒で、これを購入した人から評判がよいということはお湯割りで飲んでものびるタイプの原料芋だといえるでしょう。コガネセンガン圧倒的優位の状況を変える新品種となるのか、今後が楽しみなサツママサリです。