第4回 特定名称酒を考える

前回からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回は「特定名称酒」について考察します。

特定名称酒について細かい基準を熟知している方はどの程度おいででしょうか?国税庁の通達で定められた特定名称は以下のような種類があります。

吟醸酒
大吟醸酒
純米酒
純米吟醸酒
純米大吟醸酒
特別純米酒
本醸造酒
特別本醸造酒
これらの種別について、具体的にどういう基準があるのかをすらすらといえる方はおいででしょうか?酒業界に何らかの職をお持ちの方でなければ、これらの区別をすぐに付けるのは難しいと思います。

清酒に関してはこれだけの種類が法律で定められているわけですが、消費者にとってこれらの区別は本当に必要なものなのでしょうか。私はこれらの細かい種別がかえって、清酒を「難しいもの」として認識させているような気がします。また、本当は旨いはずなのに特定名称を付けられないばかりに「普通酒」となってしまい、日の目を見ない清酒もたくさんあります。そして、特定名称が付いているのに心ある普通酒よりも味が劣る特定名称酒がたくさん出回っています。

こうした現状をふまえ、私はこれらの特定名称は一回整理をするべきだと考えています。通達で定めるべき特定名称は

純米酒
のみにしてはいかがでしよう。
また「吟醸」「大吟醸」は本格焼酎でいうところの「いも焼酎」などと同じく清酒業界の業界基準として定めればよいと思います。
そして、「特別純米」などの消費者がよくわからない特定名称は廃止したほうが良いでしょう。

それくらい思い切ったことをしないとだめだと思います。皆様、いかがお考えになるでしょうか。

「本場泡盛」から「琉球泡盛」へ

ラベルは「琉球泡盛」 ブランド確立へ表示方法を統一

沖縄県産の泡盛には現在2つのブランドがあります。

一つは「本場泡盛」です。1983年に沖縄県酒造組合連合会が「泡盛の表示に関する公正競争規約」を結び、沖縄県産の泡盛のみに付けることが出来るようにしたブランドです。
もう一つが「琉球泡盛」です。こちらはWTO加盟国で結ばれている「トリプス協定」に則って、1994年に国税庁から公示された「地理的表示に関する表示基準」と同表示基準の制定に伴って国税庁から告示された「地理的表示に関する表示基準第二項に規定する国税庁長官が指定するぶどう酒又は蒸留酒の産地を定める件」によって設定されたブランドです。やはり沖縄県産の泡盛にのみ付けることが出来ます。
いずれも法令で認められたものとなりますが、今回、沖縄県酒造組合連合会では産地が判らない「本場泡盛」ではなく、「琉球泡盛」という名称を前面に出していこうという政策を打ち出したわけで、ボルドーワインやコニャックといった世界的な銘酒の一歩を踏み出したといっても良いかもしれません。産地に対する消費者の目が厳しくなっていく中で、こうした決定は大変に有意義なことだと思います。琉球泡盛の今後に期待したいと思います!

※なお、「地理的表示に関する表示基準第二項に規定する国税庁長官が指定するぶどう酒又は蒸留酒の産地を定める件」では、黒麹全麹仕込みの泡盛発祥の地である「琉球」のほか、米焼酎の産地として名高い「球磨」と麦焼酎発祥の地といわれている「壱岐」が定められています。ワインも産地指定を受けることが出来るのですが、まだ産地指定を受けられるほどの状況にはなっていないようです。

混和焼酎をご存じですか?

混和焼酎に統一ラベル、混和率を明記 業界団体来月から

元記事は朝日新聞のため、おそらく数日すると削除されてしまうと思いますが、一応リンクしておきます。

混和焼酎というのは甲類焼酎と乙類焼酎を混ぜ合わせて売っているもので、甲類が多い場合には「甲類乙類混和」、乙類が多い場合には「乙類甲類混和」と表記することが決まっています。また、混和焼酎は本格焼酎の基準には合致しないため、「本格焼酎」と名乗ることは認められていません。

数年来の本格焼酎ブームで本格焼酎に似せたラベル表示にしている甲類と乙類の混和焼酎が販売されていましたが、これですっきりすると思います。

実際、本格焼酎のみを扱っています、と称する店ですらこの違いがわからず、堂々と「本格焼酎」と銘打って混和焼酎が売られているのを見たことがあります。料飲店の知識のなさも問題とは思いますが、そうした売り方を許してしまう表示になっている販売者側も問題だと思います。
いずれにしても違反しているケースは業界団体から注意指導をするとのことですから、動向を注目していきたいと思います。