小規模蔵の焼酎かす処理に特例を

リンク: 鹿児島の焼酎各社、焼酎かす処理対策急ピッチ.

以前、このBLOGで焼酎かす処理のあれこれという記事を書きましたが、これの続報的な記事です。法律で義務化されてしまうため、資本の大きなところ以外は日経の記事にあるとおり、処理プラントを共同で建てています。しかし、ブームとは無縁であった蔵はいまでもどうするのか頭を抱えています。また、年間生産量が100石程度の小さな蔵も余力がなく、下手をすると"滓処理倒産"なども出かねません。近所の農家に喜ばれていたものが全く正反対の厄介者となり、多額の処理費用を負担するというのは、やはり解せないところがあります。

もちろん、こうした強制力の結果、逆に処理された焼酎かすが商品として注目されているという事情は承知しています。しかし、実際にはプラントを売る商社でもなければ誰も得のない施策なのも事実です。もちろんロンドン条約による海洋投棄の禁止は遵守しなければなりません。ただ、海洋投棄とは全く無縁であった小規模蔵まで一律でこれを強制するのはいかがなものでしょう。政策を変えるのはなかなか難しいかもしれませんが、いまからでも一定生産量以下の蔵は何らかの特恵処置を採れないか、ぜひとも関係省庁には検討をして欲しいと思います。

2005酒造年度の鹿児島県本格焼酎生産量・出荷量まとまる

リンク: 鹿児島の芋焼酎出荷、伸び鈍化.
リンク: 焼酎出荷量最多8.9%増/鹿県産05酒造年度.

2005酒造年度(1酒造年度は7月から翌年6月までで区切ります)における鹿児島県産の焼酎に関するデータがまとまったということで日本経済新聞と南日本新聞が記事を配信しています。ところが、同じデータを使用しているにもかかわらず、見出しは全く正反対となっています。まさにデータのマジックという感じですが、実際はどうなのかをきちんと見てみたいと思います。

肝心の数値データですが、これは南日本新聞に年度の推移とともに掲載されています。これを見ると確かに出荷量は最多を記録しています。しかし、伸びがここ2年で鈍化しているのは紛れもない事実です。「ブーム」と呼ばれる現象は落ち着きを見せたといえるでしょう。その意味で南日本新聞に記載されている

同連合会は生産量減について「麦やそばが落ちたが、芋は15%以上の伸び。全体として前年並みとみるべきだ」と分析。「出荷量も過去最高で来年は15万キロリットルを超えるのではないか。芋中心に焼酎ブームは続いている」とみている。

というのは不正確といえます。それでは日本経済新聞の記載はどうでしょうか。
芋焼酎は好調だが、麦焼酎、米焼酎の不振で、全体の伸び率は同5.8ポイント下がり一ケタとなった。

これに関しては異論があります。各蔵元はいも焼酎に掛かりきりとなっているため、麦や米の生産を少なくしているという見方が正しいのではないでしょうか。また、いも焼酎で経営が成り立つため、麦や米を無理して仕込んで売りさばかなくても良くなってきたという側面もあると思います。一方では閑散期の対策としての「桶売り」もしっかりと続けており、「県外未納税移出(おけ売り)は0.2%増の6万6000キロリットル」(南日本新聞)とあります。つまり、自社で販売をする米焼酎や麦焼酎を減らした、あるいは鹿児島県外の蔵へいも焼酎の桶売りをした蔵も結構ある、のどちらかということでしょう。個人的な感想としては鹿児島県外へのいも焼酎の桶売りも増えていると見るのが正しいような気がします。

いずれにしても成長は鈍化しています。関係者の皆様におかれましては、ここで気合いを入れ直していただき、ぜひともロックばかりではなくお湯割りで飲める食中酒としてのいも焼酎の良さを普及啓蒙する活動を行ってほしいと思うところです。このままロック一辺倒では早晩焼酎は廃れていきます。いも焼酎は食中酒としてお湯割りや水割りで美味しく飲めるのだ、というもう一段の活動がこれからは重要だと思います。本当に本格焼酎が日本全国の飲食店で根付いて行くにはこれからの舵取りが問われるのではないでしょうか。

小牧醸造の焼酎をぜひ!

リンク: 豪雨で工場浸水 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).
リンク: 小牧醸造株式会社.

先日、九州地方では大水害が発生しました。特に鹿児島県北部ではその被害が大きく、上でリンクしている小牧醸造さんは川内川が氾濫してしまったことで蔵が水没するという大被害を受けました。蔵が水没というのはすなわち土中に埋まっている甕なども全て水没してしまうということであり、生産を再開するにはそれらを一回消毒する必要があります。蔵が蔵の中を消毒するということはどういうことか。蔵にいる有益な酵母菌も全て一回死滅させてしまうということにほかならないのです。これは蔵元にとっては大打撃です。その上、出荷のために倉庫においていた焼酎も全て水没して使い物にならなくなり、さらに偶然にも設備を新しくしたばかりで、新しい機械類も全て稼働しなくなってしまいました。読売新聞の報道などを参考にすると億を超える損害が発生している可能性があります。

小牧醸造さんは非常に先駆的な取り組みを多くされていることで焼酎好きの間では有名です。他の蔵に先駆けて行われた大手酒造メーカー・宝酒造とのコラボレーションや青果用のサツマイモであるベニアズマを使用した「紅小牧」など、その取り組みは賛否両論色々あったのも事実です。

しかし、水害による被害は蔵のせいではありません。私自身は小牧醸造さんとは何にも関わりのない一介の飲兵衛ですが、こんなことで旨い焼酎を造る蔵が潰れてしまっては焼酎好きにとっても大きな損失になると考えています。いつも呑んでいる焼酎を一旦おいて頂きまして、機会がありましたらぜひとも小牧醸造さんの焼酎を購入して下さい。我々遠隔地の飲兵衛が小牧醸造さんの再建を応援するには小牧醸造さんの焼酎を買うことが一番の支援です。現在自社サイトからの通信販売は取りやめておられるようですが、市場には既出荷分が出回っています。例えば「一刻者」は近くのコンビニエンスストアやスーパーで販売されていると思います。これを買うだけでも十分応援になります。また、この蔵が作っている銘柄は公式サイトにも載っていますので店頭で見つけられたらぜひとも購入して下さい。

このBLOGでも小牧醸造さんの今後に注目して、応援していきたいと考えています。