干支焼酎が話題になる季節

リンク: 焼酎:来年えとの竜がラベル、正月用限定「辰歳」 小鹿酒造、来月から販売 /鹿児島 - 毎日jp(毎日新聞).

来年の干支をあしらった干支焼酎が話題になる季節となりました。早いもので激動の2011年ももうすぐ終わりを告げようとしています。
干支焼酎といえば記事になっている小鹿酒造と宮崎の柳田酒造が著名です。小鹿酒造は十二支で、柳田酒造はいわゆる六十干支(ろくじっかんし)でラベルを作っています。いずれも大変においしい焼酎ですので正月祝いの席にぜひどうぞ。

宮崎の霧島酒造が本格焼酎業界トップに上り詰める意味

リンク: 霧島酒造:新工場完成 本格焼酎、生産全国一に道筋 /宮崎 - 毎日jp(毎日新聞).

いよいよ、霧島酒造の新工場が落成します。焼酎ブームが過ぎ去ったあとも着実に売上高も出荷量も伸ばし続け、長らく芋焼酎ナンバーワンであった薩摩酒造を抜き去って、今は芋焼酎ナンバーワン蔵となりました。そして、ついに大分麦焼酎の雄、業界トップの三和酒類を抜くところまで来たのです。そして、霧島酒造の好調さに引っ張られるかのように宮崎の焼酎業界は、2011年9月の全国単式蒸留焼酎課税移出数量(日本酒造組合中央会発表)が、鹿児島県(9107kl)を抜いて1万klが見える9889klという結果になったことでも判るようにとても元気です。

このたび休刊する業界専門誌の編集長はスポンサーの問題があるのか非常に口を濁した評価をこちらで書かれています。私は特にスポンサーなどもないのではっきり書いてしまいますが、焼酎ブームを受けてそこを土台に無理せずじっくりとそれぞれの持分や特色にあわせて営業努力をしてきた宮崎県の蔵と焼酎ブームに浮き足立って無理に背伸びをしてしまった鹿児島県の蔵の違いが出てしまったということです。もちろん宮崎県の蔵でも雲海酒造のように焼酎ブーム以後の苦境から立ち直れていない蔵もあれば、鹿児島県の濱田酒造のように自称薩摩焼酎通から散々に酷評されながらも着実に営業成績を伸ばしている蔵もあります。しかし、全体としてはそういう傾向があったということでしょう。これはブームの初期から乗ってしまった鹿児島県と乗り遅れたことで逆に後ろからゆっくり見ることが出来た宮崎県という立ち位置もあったかも知れません。それとて、ブームの最先端にむしろけん引役を果たしていた西酒造が、毒米騒動に巻き込まれながらも着実に伸び続けている状況や同じようにブームの牽引役になっていた黒木本店がその後もきちんと足場を固めている事を見れば、舞い上がってしまった蔵の状況が透けて見えます。

以前からの繰り返しになりますので過去記事も参照していただきたいのですが、状況は業界専門誌の編集長がいうほど甘くないです。ここで一度なぜこんなことになってしまったのかを良く考えていただき、切るべきを切ってしっかりと膿を出されたほうが良いと思います。

飲酒運転の危険性を教習所などで体験しておく重要性

リンク: asahi.com:久留米の自動車学校で大学生が飲酒運転体験-マイタウン福岡・北九州.

本格焼酎に限らない話ですが、お酒を飲んだら自動車の運転は絶対にだめです。おそらく多くの方がそれは良く知っていると思うのですが、自分だけは大丈夫、たいしたことはない、という意識からついつい飲んだ後に運転してしまう悲劇がなくならないのだと思います。
この記事に紹介されているような体験は飲酒運転を撲滅するために重要な活動だと思います。教習所のカリキュラムへ取り入れるべきですし、すでに運転免許を持っている人は更新をする際に一度は体験させておくべきでしょう。人間は頭で理解していても体験することで深い印象を与えられます。ぜひとも検討して欲しい施策です。

風評被害と誤解を招きかねない残念な話題

リンク: 八丈島の焼酎メーカー、曽於からイモ送る | 鹿児島のニュース | 373news.com.

八丈島の焼酎蔵が鹿児島の親しい農家からサツマイモを購入した、という話題です。それだけであればサツマイモはやはり鹿児島が一番良いという判断からなのだろう、ということになり、原材料にこだわる蔵元だという評価になります。しかし、本文記事を読むと
福島第1原発事故による放射能問題で、顧客から原材料への問い合わせが相次いだ同社が仕入れ先を関東から変更した。
とあります。これはきわめて残念な話です。

確かに食の安全性などで消費者から問い合わせがあって苦慮しているという事情は理解できます。しかし、それならば、今までお付き合いしていた農家とともに安全性をアピールするべく努力していくべきで、関東産のサツマイモの安全性を検査もせずにすべて否定する行為といえます。これはもともとお付き合いしていた農家のみならず、関東のサツマイモ農家と地場産の芋を使用した焼酎蔵にとってはあまりにも無念な話ではないでしょうか。

酒造りは農業と密接に結びついており、農業の発展とともに歩んでいく産業です。こうしたことをしてしまう蔵元、そしてそれを応援する焼酎愛好家というのは農業と酒造りの密接な関係について実は理解していないといえます。そんなに心配ならば、蔵元も焼酎愛好家のみなさんも関東から鹿児島へ移住されたほうがもっと安全なのではないでしょうか。きちんと検査されて出荷しているサツマイモに残留が心配される放射性物質よりも一部を除いて検査が進んでいない大気中の放射性物質のほうがより危険度が高いですから。

そして南日本新聞としては鹿児島さんの芋が売れていいという判断なのでしょうけど、この時期にこういう記事を載せてしまうということが風評被害と誤解を拡大しているのだということに気が付いていないということでもあり、メディアとしての見識に欠けていると思います。

現在、市場に出回っている農作物は検査を行って出荷されており、安全性については確認が取れているものばかりです。焼酎に使用されている原材料もきちんと検査が実施されています。こうした風評被害を拡大しかねない行為を気にせず、皆様は安心して召し上がっていただきたいと思います。

平成23年度福岡国税局酒類鑑評会結果

リンク: 酒類鑑評会:福岡、佐賀、長崎3県の蔵元の自信作対決--福岡国税局 /福岡 - 毎日jp(毎日新聞).
リンク: 平成23年酒類鑑評会について|福岡国税局|国税庁.

福岡国税局主催の酒類鑑評会が開催されました。本格しょうちゅうの部大賞は叡醂酒造の紅乙女(ごま製)となりました。ちなみに叡醂酒造は紅乙女酒造の関連会社で、ここで造られた焼酎は紅乙女酒造の「胡麻祥酎 紅乙女」として日本全国に流通しています。

焼酎の低アルコール化対応に関する考察

リンク: asahi.com(朝日新聞社):焼酎低度数競う 女性・若者新たな客層開拓 - 経済を読む - ビジネス・経済.

だいぶ前から消費者の低アルコール嗜好はかなり前からのトレンドです。25度の焼酎をロックで飲む芋焼酎ブームがむしろ例外で、2000年代初頭の鹿児島芋焼酎ブームの少し前にはタカラ缶チューハイが売り上げが好調というニュースが流れていました。ハイボールにしても少し前のホッピーにしてもやはり低アルコール嗜好です。焼酎も本場九州では、基本的にお湯割りや水割りで飲まれることが多く、もともと12度から13度くらいにしていました。

水割りにしても蔵元の仕込み水で割ってくれたほうがおいしいのは確実でして、こういう方向性は歓迎したいところです。焼酎になじみがない人にはそのままストレートで冷やして飲む方法を薦め、だいぶ飲みなれてきた人には鹿児島伝統の酒器である黒千代香を使った燗付けを薦められるという一石二鳥な効果があります。特に黒千代香を使用した燗付けは25度の焼酎をどの水で割るのかというところが大変に難しく、また自分で割り水をして数日置くという手間も敬遠されがちです。蔵元の仕込み水で割って出してくれるのが一番おいしく、手間もかからず、買って来てすぐ燗付けして楽しめるわけで、焼酎ファンにとっても歓迎したい方向性といえます。

また、割り水をして低アルコールにするばかりではなく、あえて35度などの高い度数で販売し、ハイボールやジュース割りなどの楽しみの提案も重要だと思います。本文では豊永酒造の提案事例が書かれていますが、ソフトドリンクで割って生きる本格焼酎の楽しみ方のようなものも研究していく余地がある部分だと思います。個人的に好きなのは、シーズンになると東京渋谷にある焼酎バー古典が定番として提供するパッションフルーツと黒糖焼酎の組み合わせです。また、一部の琉球料理店では定番メニューとなっている琉球泡盛のシークワーサー割りもいけます。あるいは最近話題の塚田農場というチェーン居酒屋が一時期提供していた新感覚の「焼酎ハイボール」のような提案も重要でしょう。こうした「定番の割り方」というのはその地方の名産品とうまく組み合わせることで、地域色のある飲み方となります。それが新たな伝統になっていけばよいのではないでしょうか。

いずれにしてもこの傾向はまだまだ続くと思いますので、一部の飲食店やコンサルタントのように伝統だけを重んじるのではなく、どのようにアピールしていくのか、そうした点の研究が重要になっていくものと思います。