球磨で取れた米を使った球磨焼酎

転作地で焼酎原料米 メーカーと契約、栽培--あさぎり町の農家 /熊本

「米余り」の中で行われている水田の転作ですが、球磨地方では、従来たばこと飼料イネへの転作が進められていたそうです。これを球磨地方の特産である球磨焼酎の原料米へ転換しようという試みがJA球磨によって行われています。
本格焼酎は、清酒やフランスワインと同様に農業と密接に結びついた酒です。地元の産物で原料がまかなえるのであれば、素晴らしいことです。米も水も酵母も「球磨産」の「球磨焼酎」は、全て地元の風土から生まれたものですから、さぞかし美味しいでしょう。
JA球磨と球磨焼酎蔵の取り組みをぜひとも応援したいと思います。

いも焼酎の仕込みが始まる

芋焼酎仕込み始まる 年末から県内に出荷
※ここでいう県内は宮崎県内のこと

宮崎県内では一足早くいも焼酎の仕込みが始まりました。2003酒造年度はいもの不作に各社とも悩まされましたが、今年は猛暑ですから、秋にかけてまるまる太った上質のサツマイモが採れることでしょう。鹿児島の焼酎蔵は、加熱する早期仕込み競争に酒造組合側が先手を打ち、麹の販売を遅らせているため、もう少し遅くなってから仕込みが始まるはずです。いよいよ、いも焼酎の仕込みシーズンの到来です。

私が密かに期待しているのは九州以外の各地域でそれぞれの地域特産のサツマイモを利用したいも焼酎ができないかと言うことです。既に鳴門金時を利用した徳島県産のいも焼酎などができていますが、こうした動きが全国に広まって、様々な土地で作られる名産いもで醸したいも焼酎が飲めるようになると飲兵衛冥利に尽きますね(^^)

いよいよアメリカへ進出する本格焼酎

米国向け本格焼酎開発へ 三井物産と九州の6社 - 共同通信

今年の11月をめどに本格焼酎が太平洋を渡ることになりました。このBLOGでもたびたびご紹介している熊本県の繊月酒造を中心に大分や宮崎などの本格焼酎蔵6社が三井物産の販売力を生かしてアメリカでの普及を目指すようです。
国内で三井物産が進めている「焼酎ルネッサンス」を連想して怪訝な顔をされる方や「本格焼酎が足りない国内の現状を置き去りにして......」などという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、国内がこうしたブームに沸いているからこそ、現在焼酎蔵は国内での経済基盤がかなり安定しているのではないかと思います。さらにブームの影響でメディアなどが取り上げる可能性も高くなります。そうしたことから私はこの時期はもっとも良い時期だと歓迎したいと思います。この機会をうまく利用して「SAKE」とならぶもう一つの国酒、"Japanese Spirits"たる「SHOCHU」を国際的に大いに普及して欲しいと思います。

でも、

試飲会に同日参加した焼酎ファンで弁護士のデビッド・シンデル氏は「種類が豊富でコクがある。カクテルにすれば人気が出ると思う」と話していた。
といわず、アメリカの皆さんにも是非ともそのままをロックやお湯割りで呑んで欲しいです(;^^A

2004年8月10日追記.西日本新聞によると今回賛同した六社は......

大古酒繊月」など貴重な原酒を数多く所有している繊月酒造(熊本県)

私が個人的に美味しく頂戴したf^^;)「刻の封印」を醸している深野酒造本店(熊本県)

その形状が話題を集めた「甕雫」とまろやかな甘みを持つ「かんろ」でおなじみの京屋酒造(宮崎県)

「」という銘柄で米・麦・芋を醸している櫻の郷醸造(宮崎県)

まろやかなコクを持つ「飫肥杉」を醸造している井上酒造(宮崎県)

白麹の父、河内源一郎氏の流れをくむ錦灘酒造(鹿児島県)

とのことです。
※各蔵元の説明文は、西日本新聞が作ったものではなく、私が作ったものです(;^^A

黒糖焼酎の「地元品切れ問題」は簡単な話ではありません

都会に飲まれ、地元で「幻」に 奄美の黒糖焼酎大ブーム

以前、青酎の品切れの件を書きましたが、今度は黒糖焼酎だそうです。本文中の西川りゅうじん氏の分析は、該当記事を書いた記者のまとめ方が悪いのか、前後で内容が変わっているので分析とはいえない代物になってしまっていますが、記事自体は面白い内容でした。
黒糖焼酎に関しては青酎と比べて、その背景が大きく異なるでしょう。黒糖焼酎はかなりの生産量があり、問屋経由の商品も数多く存在しています。それが地元で呑めないのは何故か。理由は幾つかあると思います。

まず、地元に流れている商品を東京の料飲店が買い漁りに行ってしまうことです。
「現地から直接購入」などと謳っている店がありますが、その商品は本来地元向けだったものを都会で販売しているということに他なりません。東京でも大阪でも本格焼酎を扱う酒販店さんは数多くあり、わざわざ地元用に販売されているものを購入してくる必要はありません。そうしたお店はこのブームで急に扱いをすることになったため、都会の酒販店さんが取引をしてくれないことから地元分の本格焼酎の「収奪」に走っていると言うこともできると思います。

また、本来地元の酒として一番大事にしなければならない地元の酒販店が売れない時期に数量を減らしてしまったことも理由としてあると思います。宮崎の地元紙である宮崎日日新聞が「みやざき焼酎進化論」という本格焼酎の特集をしていましたが、その中にこのことを示す記事が掲載されていますので、一部引用したいと思います。

大都市の酒販店と雑誌が車の両輪となって小さな蔵を次々と発掘する。その銘柄は入手困難な幻の焼酎となり、地元の酒販店は「なぜ入荷できないのか」と叫ぶ。

 先駆者の小林は、この問いにこう答える。「地元の蔵を大切にしてこなかった酒販店こそ焼酎文化をおざなりにしてきた。今ごろになって騒いでも遅い」と。

つまり、蔵としては地元を大事にしたかったのですが、地元が蔵を大事にしてこなかったので、地元でその酒が飲めないという事態が発生していると言うことです。こうした記事ではその辺もきちんと紹介して欲しいところですが。

今回の朝日新聞の記事は、重要な話題を紹介している割には中途半端でもいまいちはっきりしない内容になってしまっているのが残念です。例えば黒糖焼酎のブームについて、前半では

焼酎ブームで黒糖焼酎が専門誌に取り上げられたり、歌手・元ちとせの人気がブレークしたりで、奄美が注目されるようになったのが背景とみられている。
と言う分析をしているにもかかわらず、後半では西川りゅうじん氏のコメントを引用して
「約3年前、全国で芋焼酎ブームが起き、最近はラム酒感覚で女性にも飲みやすい黒糖の人気に火がついた」と黒糖焼酎ブームの背景を分析している。
としています。他にも前後関係がおかしい記事の構成となっています。

いずれにしても今まで注目されなかった本格焼酎がこれだけの注目を集めたのはよいことだと思います。芋、黒糖と呑まれた皆さんには是非とも常圧で醸された米焼酎や麦焼酎の個性にも注目して欲しいと思います。そして、以前から書いていますが、粕取り焼酎、特に籾殻を使用して蒸留された正調粕取り焼酎も呑んでみて下さい。本格焼酎の奥深い世界に驚かれると思います。個人的に西川りゅうじん氏には是非とも消えかかっている正調粕取りの復興にその実力を見せて欲しいと思いますが、鹿児島県がそうしたように佐賀や福岡の酒造組合あたりが依頼をすることは出来ないものでしょうか。

※空前の本格焼酎ブームの中で、全く注目されなかった正調粕取り焼酎が少しずつ注目を集め始めています。
もし、粕取り焼酎がブームとなることがあった時のために記しておきますが、粕取り焼酎に関しては、2002年8月に始まる九州焼酎探検隊の猛牛氏・けんじ氏・goida氏による発掘・啓発活動とその姿勢に惚れ込んだ佐賀の鳴滝酒造、そしてそれを東京で定着させるべく奮闘している酒のこばやしの5者がもともとの土台を作った火付け役です。将来誰がどのようなコメントを出すか判りませんが、前述の5者以外に自称「粕取り焼酎ブームの火付け役」が出たとしてもそれは誤りであることを事前にはっきり記しておきたいと思います。



2005/01/26追記.この件に関して、下記コメントが付いたため、確認を行ったところ以下の事実が判明致しました。

1.西川りゅうじん氏は1995年頃、鹿児島県本格焼酎マーケティング研究会という会の座長を務め、複数の蔵とともにPR方法に関する活動を実施していた。
2.この研究会の活動を知っている蔵は西川氏を非常に功績のあった恩人として扱っている。
3.一方で、この研究会の活動を知っていても西川氏の功績を否定的に見る蔵もある。

功績を評価する蔵がある一方でそうではない蔵もあることから、当サイトとしては「本格焼酎ブームの火付け役」という"肩書き"は現実にあわず「本格焼酎の普及に貢献した協力者」程度が適切であるという結論とさせて頂きます。私の認識は大きく変わりましたが、現実にあわない肩書きを使っているという認識には替わりがありませんので、記事本文に関しては加筆訂正はいたしません。
以上、コメントに対する回答も兼ねた追記です。



様々な方からいろいろな情報を頂きましてありがとうございました。この件に関して、これほどの反響があるとは予想もしていなかったのですが、いろいろと頂いた情報を元に近日中に記事を掲載する予定でおりますので、よろしくお願いいたします。なお、それに併せて本記事の誤認識と思われる部分を修正いたしました。